脳卒中有名人の気になる仕草
脳卒中は病気の名前そのものはよく知られていますが、それにかかると具体的にどうなるのかが十分に知られているとは言えないと思います。
私も、今自分に襲い掛かっている後遺症の症状については、予想が付かなかったものです。
あまり知られていないとなれば、有名人がそれにかかると誤解が生じやすくなります。
私が思い出した2つの例について書きます。
●西城秀樹氏の「舌出し」
昨年12月7日のFNS歌謡祭で、脳梗塞に2回も見舞われた歌手の西城秀樹氏が、後遺症がありながらも「ヤングマン」を熱唱しました。
その西城秀樹氏なんですが、よく舌を出すシーンが映し出され、恐らく健常者の方には「なに、あれ」と感じた方も多かったと思います。
私も脳出血の前は、舌を出すことはあまりしませんでした。
しかし、神経が弱っている今では、意図的に出すこともあります。
西城氏の舌出しの正体、私の経験から推測されるのは、よだれです。
西城氏は右片麻痺の後遺症がありますから、全身の右半分が感覚的に弱くなっており、力も入らなくなっていると思われます。
それで、口も左よりも右側の閉じる力が弱く、よだれが外に出そうになるのです。
通常、「舌を出す」行為は、人を小馬鹿にしていると思われますが、決してそうではなく、恐らくよだれが落ちないようにしているためだろうと思われます。
●長嶋茂雄氏の「ポケットに手」
これもよく言われていました。
公式の場でも右手をポケットから出さないので、「大物と言っても、失礼ではないか」の声まで上がっていました。
しかし、これにはちゃんとした理由があります。
分かりやすいブログ記事がありますので、引用します。
長嶋茂雄さんがポケットから右手を出さないのは理由があるんだ。
笑いながら勝手に手が動いたり自由が効かない右手で人にぶつけたら大変だからポケットに入れて固定しているのに失礼だとか、天皇陛下の前で失礼だとか、そんな事本人が一番知ってることだ。
自由が効かない右手で人にぶつけたら、人に悪いんじゃなくて自分が転倒したら死を招くかも知れないからだ。
健常者は、右手と左手が別々に動くのは当たり前だと感じていると思いますが、片方が麻痺すると必ずしもそうではないことが分かるようになります。
左手が動くと、右手も勝手に釣られて自分が意図しなくても動くのです。
私はリハビリ病院に入院していた頃、その初めの頃に食事の皿をひっくり返しました。
左手で箸の練習をしていると、テーブルの上に置いていた右手が勝手に動いて、食器に当たるのです。
リハビリ病院では、回復が早くなるとして麻痺の手もテーブルの上に置くように指示されますが、私はそれ以来テーブルに右手を決して置かなくなりました。
そんな私を、一部のケアワーカーさんは露骨に嫌っていましたけどね。
退院して長く経っているので、そんなことはどうでもいい話ですが。
脳卒中って、嫌でしょ。
鬱陶しいでしょ。
面倒くさいでしょ。
そう思った方は、普段の体のケアをしっかりなさってくださいね。
- 2017.01.01 Sunday
- 様々な患者たち
- 11:30
- comments(2)
- -
- by ニゼック