誰が3歳児程度の知能なのか
その内の1人、S氏は、我々と同じ脳出血でした。
S氏といえば、「礼儀知らずのクズ隣人、K氏」の記事で、K氏に「礼儀知らず」呼ばわりされていた人ですが、私が見る限りそんなことはありませんでした。
S氏は、私ともK氏とも違う場所に、ダメージを受けていました。
私とK氏は左右が逆で、失語症の有無ぐらいしか違いはないですが、S氏は私と同じ右片麻痺ながら手足の麻痺は急速に回復し、麻痺がほとんど分からなくなりました。
それとは逆に、自分の誕生日、時計の針、小学校低学年の計算問題等の読み書きが、ほとんど出来ませんでした。
それでも、S氏は普通に会話が出来るので、見た目は簡単に分かりませんでした。
S氏がいないとき、K氏はよく言ってました。
「Sさんは脳に大きなダメージを受けていて、3歳児程度の知能なんですよ」。
入院当初、事情に詳しくない私は、K氏の言うことを真に受けていました。
それから数カ月が経ち、私の食事の場所が変わったとき、私はS氏と毎日顔を合わせて会話をするようになりました。
S氏は、少し失語症がありますが、普通に大人の会話を楽しんでいました。
K氏の言う「3歳児程度の知能」など、全く感じませんでした。
そのうち、食事のメンバーには、やはり計算が出来ないと自ら認識をしている女性の患者さんが加わりました。
この人もまた、全くの普通の大人の会話を楽しめる人でした。
K氏がS氏を「3歳児程度の知能」だとした根拠は、小学校低学年程度の計算が出来ないとか、時計を読めないという表面的なことだけで、他に何の根拠もないデタラメだったのです。
数カ月の間に、私はS氏に何ら偏見はなくなり、逆にK氏の言動に異常性を感じるようになりました。
私は、K氏には高次脳機能障害(※)があるのではないかとも思いました。
もう、私の結論は出ていました。
「3歳児程度の知能」なのは、S氏ではなく、K氏の方が相応しいのではないかと。
※追記(2015.11.11)
正確には、失語症も高次脳機能障害です。
程度の差はありますが、S氏、私の2人共持っていることになります。
逆に、K氏の方は失語症がないので、何とも言えません。
- 2015.11.09 Monday
- 様々な患者たち
- 09:07
- comments(2)
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- by ニゼック
失語症の人が、普通に大人の会話を楽しんだりするわけがありません。