障害者を潰す健康な高齢者
バスが到着すると、前の方の人たちは次から次へと着席し、私がバスに乗るときにはもう空席はありませんでした。
握り棒を持つか吊り革を持っていれば何とか立っていられるのですが、右足が麻痺しているのでかなり苦しいのは毎度の話。
そうしているうちに、私に声を掛けてくる人がいました。
「こちらへどうぞ」。
見れば、少し離れた所に若い女性が着席していたのです。
高齢者に埋もれていたらしく、若い人が乗客にいたなんて初めて気が付いたのでした。
さすがに、障害者の私を見て、譲らなければ悪いとでも思ったのでしょう。
女性の席の前まで行くと、女性は立ち上がって私に着席を勧めました。
「あっ!これは・・・」
その女性は、ヘルプマークを付けていたのです。
これでは、譲ってもらうわけにはいきません。
「さすがに、これは・・・」
「いえいえ、私は足は大丈夫なので。どうぞ」。
「いやぁ、これは本当に申し訳ないです」。
お言葉に甘えて、着席しました。
私は、「立ち」の苦しみから解放されたのでした。
さて、この間の周辺の高齢者の様子ですが、各々で談笑しており、私たちの様子には完全に無関心(を装っているの)でした。
自分たちはお年寄りだから、着席した後は病気の人がいようがケガをした人がいようが、自分が席を譲ることに神経を使わなくていいんだとぐらいに思っているのでしょう。
日本の国が高齢社会と言われるようになってから、随分と時間が経っています。
これでは、障害者の座る場所は、健康な高齢者によって埋められていくでしょう。
実際、駅のホームで私の後ろに並んでいた健脚そうな高齢者に、電車に乗るときに追い抜かれ(私は足が遅いため)、優先座席に我先に座られるのを何度も体験しています。
電車やバスの優先席で、「お年寄り」と「体の不自由な方」を同列に並べる時代は終わっているのではないでしょうか。
交通機関の関係者の方々に言いたい。
次の時代の優先席のあり方を、早急に考えてください。
このままでは、障害者は健康な高齢者に潰されてしまいます。
- 2017.07.08 Saturday
- 乗り物とバリアフリー
- 16:18
- comments(2)
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- by ニゼック
しかし、もみじマークの車が、障害者駐車駐車場に平気で侵入してくるのです。「ここは障害者専用です」と、音声を常に流しているにも関わらずです。そこまでやるか〜という感じです。
地方にある我が町では「俺様(高齢者)は王様!」という意識が強い人が多くいます。数の力もありますが(苦笑)